大学に入学し休学した2017年

 

普通に暮らしていくには特別不便なことはないが、ただただ退屈な田舎に住んでいた私は幼い頃から都会への憧れが強かった。

 

その為、関東圏の大学に行き東京に通える場所に住みたかった。

 

第一志望ではなかったが、念願叶い関東圏の大学に進学することができた。合格した時は、受験期猛勉強したことが報われた気がして嬉しくて泣いた。

そして都内まで1時間程の場所に住むこともできた。

私は本当に嬉しかった。幼い頃から憧れていた東京をこんなに身近に感じられることがただただ嬉しかった。

そしてこの時点で私は夢を叶えてしまったのだ。

 

進学した大学のことはセンター試験が終わってから存在を認識した程度であった。

現在になってやっと気付いたが、私は大学自体にそれ程興味を持っていなかったのだ。

進学することが当たり前という環境に身を置き、考えることを放棄し、とりあえず流れで進学してしまった。

 

ただ勉強すること自体嫌いではないので進学という選択は間違っていなかったと思っている。

また大学受験を経験したことによって目標に向けて計画的に真っ直ぐ努力ができる、という自分の強みを知れたからだ。

そして私は案外ポジティブだということにも気付けた。

 

しかしそれは、現在私が精神的に余裕を持てているからそう思えるのだ。

 

私は専攻する学科に関しても、あまり考えずに進学してしまった。

人に言われた影響か親が勧めていたからなのか理由は分からないが、幼い頃から看護師という職業を意識していたので自然と看護学科を志望した。

ただ興味は全くなかった。寧ろ向いていないと思っていた。しかし高給である為奨学金を借りる予定だった私は、将来の安定性や親を安心させたいなどの思いから本音を打ち明けることもなく進学した。不満も感じてはいたが、当時はどんな仕事も嫌な面はあるし私なら耐えられる、なんとかなると思っていた。過信だ。

また、私はお金が好きだった。その為高給であればそれだけで頑張れると思っていた。

 

入学後、授業中寝ることも多々あったが元々勉強が苦手ではなかったので期末テストもしっかりと点を取り、前期は単位を落とすことはなかった。

 

夏休みも終わり、後期が始まった。

楽しいと感じる授業はなかったし、未だ看護にも興味が湧かなかった。それでも騙し騙し通っていた。

唯一の友達が前期に単位を落とし、後期の途中から学校に来なくなった。それでも騙し騙し通っていた。

奨学金を借りているし、親にも心配、迷惑を掛けられない、私は中退なんて許されないしそんな事はこれまで微塵も考えてこなかった。

しかし、友達が来なくなったことで中退という選択肢を考え始めていた。

 

1人で通い続ける強さがなかっと言われればそれまでだが、興味のない学問をあと3年学び、その後もその仕事をしなければならないのかと考えた時恐ろしくて悲しくなった。

お金の為だけにそんな苦痛を耐え抜ける自信がなかった。

生活費のためにバイトを幾つか経験したが、少なくとも私はお金のためだけに働き続けることはできないと知ってしまった。

 

学校に行けなくなった。学ぶことに恐れを抱いた。

私は心が壊れてしまっていた。

自分では気づいていなかったが、完全に精神が疲弊してしまっていた。

 

 決意するまでに時間は掛かったが、休学することを決心した。

 

2017年、こうして転機を迎えた。

 

2018年、今年は自分の幸せを行動の基準にしてみようと思っている。  

こんなに明るく新鮮な気持ちで迎えた新年は初めてだ、これからの人生にワクワクしている。